水泳部に入った瞬間、私の人生は「普通」から完全に切り離された。
今思い返しても、あれは本当に日本の高校だったのかと思うくらい異常だった。
入部して最初に言われた言葉がこれ。
「これから3年間、下着は一生着なくていいよ」
笑い事じゃなかった。本当に一生着けなかった。
練習は年中全裸。冬の朝5時、気温マイナス3度の屋外50mプールで裸で10000m泳ぐのが日常だった。
唇が紫色になっても、震えが止まらなくても、コーチは「寒いならもっと速く泳げ」の一言だけ。
体が芯から冷えて、プールから上がった瞬間、肌がピキピキ音を立てて凍傷みたいになったこともある。
学校ではブルマ一枚。冬でも上は裸。
「脂肪が少ないんだから寒がるのは努力不足」とか本気で言われた。
私生活はもっと地獄だった。
学校指定の服で、本当に意味がわからん短さで。
クロップトップは胸の下5cmくらいで終わり、ショートパンツは尻の半分以上出てるやつ。
コンビニ行くだけでジジイに囲まれたし、スーパーで「親御さんは何を考えてるの?」って店員に本気で怒られたこともある。
冬に-5度の中、その格好で自転車漕いで通学。
信号待ちで立ってると、太ももが本当に感覚なくなってきて、転ぶこともあった。
体重は最終的に42kg(身長165cm)。BMI 15.4。
これ以下になると生理が止まる子が続出してたけど、「止まっても記録が出れば問題ない」が部の公式見解。
私は2年生の12月から卒業まで一度も生理来なかった。
腹筋は毎日1000回。
陰毛は毎週金曜日に全員で体育倉庫に集まって、コーチが見てる前でカミソリで処理。
「毛が残ってると水の抵抗になるから」とか言われてたけど、ただの羞恥プレイだったとしか思えない。
日焼けは真冬でも週4で屋上で全裸で日焼け。
日焼け止め塗ったら即退部。
結果、卒業時の肌の色はもう完全に南米の人レベル。
今でも腕の内側と外側の色の差がかなりある。
でもね、変な話、これが「普通」になってた。
3年間ずっと裸に近い状態で生きてると、逆に服着ると気持ち悪くなるんだよね。
卒業式の日、初めてちゃんと着るブラウスとスカートが重すぎて、途中で脱ぎたくなった。
今大学行ってるけど、普通の水着着てプール入ると「なんか窮屈…」ってなる自分が怖い。
たまに夢でまたあの冬の全裸練習見る。
目が覚めると全身汗だくで、でも同時に「あの頃の腹筋、戻したいな…」って思っちゃう自分がいる。
あそこは本当にカルトだった。
でも、400m個人メドレーでインターハイ3位になれたのは事実で。
あの地獄がなかったら、今の自分はいなかったのも事実。
……まあ、二度と戻りたくないけどね(笑)
下が学校のルールです
【水泳の授業】
女子も男子と同じく、上半身は裸(トップレス)。
水着の上半身は一切着用禁止。
【水泳部の練習】
練習は季節を問わず、完全全裸で行う。
冬の屋外プールで、一切服や防寒具は着用不可。
【水泳部員の学校生活(授業中・校内)】
体操着は学校指定のブルマのみ(上は裸)。
冬でもブルマ1枚だけで過ごす。それ以上に着ることは禁止。
【水泳部員の私生活(学校外・休日も)】
下着の着用は永久禁止。
着られる服は学校が指定した下記の2点のみ:
極端に短いへそ出しクロップトップ
極端に短いショートパンツ
それ以外の服(ジャケット・トレーナー等)は冬でも着用禁止。
【体型に関する強制ルール】
腹筋はバキバキに8つに割れている状態を常に維持
BMIは15以下まで落とすことが義務
陰毛は完全に処理(ツルツル必須)
【日焼けルール】
日焼け止めは一切禁止。
年中かなり濃く日焼けした状態を維持しなければならない。
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